いのちと向き合う18歳

大阪暁光高等学校
校長 谷山 全

 

スマホ依存

 

 先日、地域の健全育成会に参加して、中学校の報告に衝撃を受けた。「休日にスマホを何時間使用しますか?」に対する回答で一番多かったのが、何と「10時間以上」だった。スマホの使用時間が長いほど数学の平均点が下がり、「4時間以上スマホを使用している子どもは2時間以上勉強しても、スマホを使用しておらず30分しか勉強していない子どもより平均点が低い」という恐るべき研究報告が出されている。

 本校でも、近年、生徒の生活や学習意欲がスマホに絡めとられていると感じることが多々ある。そういう私もスマホを忘れた日は左ポケットが軽くて一日落ち着かない。この麻薬のような文明の利器と学校はどう向き合っていったらいいのか。そろそろ、子どもの成長にとって、スマホはタバコと同じぐらい有害であると捉えなければならない時期に来ているのではないか。まずは実態を正確に掴むところから始めたい。

 

2020.4月号 にこにこ新聞掲載

 

いのちと向き合う18歳

 

先日、看護科3年生が3週間に及んだ病院実習の報告会を行なった。
Yは1年生の時私が日本史を教えた生徒。実習では白内障が進行して1m先も見えないのに「痛いから」と手術を頑なに拒否する高齢の患者さんを受け持つ。
なかには終末期の患者さんを担当した生徒もいる。どうすれば今を安らかに過ごしてもらえるだろうか。明日はあるのか…。わずか18歳で死と向き合い、思いを込めて実習を続ける。これが看護師をめざすということだ。看護師の卵は、患者さんと触れ合う中で育てられる。2年前、Yは授業でほとんど発言できないおとなしい生徒だった。実習が終わりに近づいた頃、「学生さんと一緒に作った日めくりカレンダーを見たいから手術する」と患者さんから言われたそうだ。その誇らしげな表情に、私の目は潤んだ。医療も教育も人と関わり支えあう。人間らしく生きる力を育む仕事なのだ。

2020.3月号 にこにこ新聞掲載

 

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